父は80歳を超え、病院にもかからず、飲む薬もない健康体です。
元気の秘訣は
「病院に行かないこと」
「朝から酒を飲むこと」
そして、
自作のスムージーです。
禍々しい気配。
衛生的にヤバい。
母も姉も私も、いくら金を積まれても飲みたくないスムージー。
出来上がったと思って、取っ手を持って持ち上げた瞬間、
ミキサーの底が外れて
スムージーは派手に、机や床や父の足にぶちまけられました。
父はそれを何故か箒で片付けようとして、
床のスムージーをさらに散らかしながら、
「ああっ！！なんでこうなるんだもうっ！！
お祓いしなくちゃ！」
と嘆いていたそうです。
本当に父は漫画みたいなことばかり起こる。
本人的には呪われているから失敗ばかりするという理論らしい。
「そうだね、お祓いしないとお笑いになっちゃうね。」と母。
なにうまいこと言ってんだ。
そして底が外れても
ミキサーを買い替えるということは、貧乏症だから絶対にしない。
底をビニールテープで補強しました。
色合いのセンスだけは無駄にある。
けれどまた底が抜けて出来立てのスムージーを
再びぶち撒ける日も近いでしょう。
さらにこのスムージーを改めて作った後に、
母が料理をしようと「菜箸」を出したら、
菜箸の片方が半分近く削れていました。
まさか、と思った母が
「ちょっとリハルちゃん、この菜箸、使ったでしょ？」というと
「使ってないよ」ととぼける父。
でも母は知っている、
スムージーを作るときに、目一杯入れたリンゴや野菜を
菜箸で押さえつけながらミキサーを稼働させていた父を。
つまりこのスムージーは、
菜箸も削り込まれています。
国産のものですが、木屑入りです。
80歳まで健康でいる秘訣は
菜箸入りのスムージーを飲むことです。
間違いない。
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