番組製作会社さんからDVDが送られてきたけど
私がパソコンを持っているのに、家でDVDが見られないと思い込んだ父は
友人に落としてもらったらしきVHSを
自慢げに見せてきたので
画質の粗い「たけしアート☆ビート」を見ました。
ビデオをもらって鑑賞をした父は、
興奮して意識がもうろうとしたのか
自分のパジャマのズボンに足をひっかけ
足がもつれ、転倒し、顔面を窓のサッシにぶつけ、
マンガみたいに左目を腫らすくらいどうかしています。
私が「たけしアート☆ビート」を見ようとした時
父は5回目くらいの鑑賞にも関わらず興奮し、
私は真剣にナレーションやたけしの発言を聞きたいのに、
始終余計な裏話をヘタクソに解説してくるのでイライラしました。
自分が画面に登場するや父の興奮はピークに達し、
「出たっ!名人!名人のボクです!いい男だなぁオイ!フウーッ!」
と真っ赤な顔で叫ぶ始末。
5回目の鑑賞なのに。
ヨダレとか出てるから。
たけしさんの作品の型
布にノリ付けし、乾燥させて
色をさす。
できあがり!
※実際はもっと色々な工程があります。
たけしさんの描いた型は、
我が家に保管されています。
一家心中しそうになったら売れるかも。
自分は裏方の人間だから、
絶対にテレビになんか映らないだろうと思っていた父の興奮ぶりはエライものでした。
でも本当に、柚木沙弥郎さんの絵本やオブジェ以外の
布作品は全て父が作っているので
純粋に誇りに思います。
フランス個展での作品も
「あれも、あれも、全部うちで作ったんだぜ!フゥー!」
と、はしゃぎ、
フランス人のギャラリー館長さんが
「これは彼の人生の苦難や葛藤、そして悟りを見事にあらわしているんだ!!」
とものすごく大絶賛している作品に対し
「コレあんまり手のかかってない作品だぜぇーっ」
と、館長さんがいたら全力で黙らせたい言葉をうれしそうに叫んでいました。
「ボクもフランスに呼ばれちゃうかもぉ。痔が治ったら行ってもいいかな。
紋付き袴を買わなくちゃ。
だってもしかしたらホラ、天皇とかに会うかもでしょ!!」
もう止まらない父の妄想。
私の妄想力は父から受け継がれたものかもしれない。
それにしても番組中の父は、ニット帽をかぶっているため、
とても70歳には見えない若さがあった。
私が「ハゲ散らかった頭が映されないで本当によかったねぇ」
というと母が
「伊勢丹で買ったニット帽をかぶってくれていてよかった・・・」と安堵していました。
ふだんはハゲ散らかった頭に
だいたいインコのう○こが付いていたり
とても電波に乗せられない姿なので、
伊勢丹ニット帽がなければ映されなかったかもしれません。
何度も何度も
ビデオを見てはニタニタ笑い、うるさく騒ぐ父に
何回見るつもり?と聞くと、
父は去り際にきっぱり言いました。
「毎日見ますけど。」と。
コメント
なんだか無性に観てみたくなりました。
ほとぼりが冷めたころ、DVD貸して。